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1.背景
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経営事項審査は公共工事を請け負おうとする建設業者に義務付けられた経営に関する客観的事項に関する審査であり、社会経済情勢が変化する中でも評価の適正を欠かないよう、また企業行動を歪めることのないよう、適時の見直しが必要である。このため、平成19年9月の中央建設業審議会総会における経営事項審査の改正案についての審議を踏まえ、建設業法施行規則中の所要の部分につき改正をすることとする。
また、建設産業において生産性の向上、品質の確保を図るため、建設現場において中核的な役割を担う基幹技能者を新たに施行規則に位置付けることとし、登録基幹技能者講習について定めることとする。
さらに、本年4月より地方整備局等の許可部局に地方整備局等の局長を長とする建設業法令遵守本部を設置し、民間工事を含めた建設業法の遵守、請負契約の適正な取引等幅広い取締りを開始したところである。このため、建設業におけるコンプライアンスを徹底する観点から建設業法施行規則中の所要の部分につき改正をすることとする。
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2.具体的内容
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■経営事項審査について @総合評点値の算出式を、P=0.25X1+0.15X2+0.2Y+0.25Z+0.15Wとする。X2について 建設業従事職員数に代えて利払前税引前償却前利益を評価することとし、Zについては元 請完成工事高を評価項目に加える。 A経営事項審査の客観的事項を改正する。 ※改正後の客観的事項 ◇経営規模 ◇技術職員その他の技術的能力 ◇その他の事項(労働福祉の状況、建設業の営業年数、防災活動への貢献の状況、法令 遵守等の状況、建設業の経理に関する状況及び研究開発の状況) B建設業の経理に関する状況について、新たに会計監査人又は会計参与の設置の有無並 びに建設業の経理事務の責任者で公認会計士等の資格を有する者が経理について確認 し自署を付したものの提出の有無を評価項目に加える。 C経営状況分析申請書の添付書類について、事務負担軽減の観点から会社法上の大会社 かつ有価証券報告書提出会社については、連結貸借対照表、連結損益計算書、連結株 主資本等計算書及び連結キャッシュ・フロー計算書とする。
■登録基幹技能者講習について ◇登録基幹技能者講習を行う者の国土交通大臣への登録について、要件及び申請書の記載 事項等について定める。 ◇登録基幹技能者講習の運営について、講習実施に係る義務等について定める。 ◇登録基幹技能者講習を行う者に対する監督について、国土交通大臣による適合命令等に ついて定める。
■法令遵守に係る体制の強化について 本部による取締りを実効あらしめるため、地方整備局等への権限委任の範囲について、主たる営業所の所在地のみならず支店等を管轄する地方整備局等へも拡大する。
■許可申請に係る法定添付書類の追加について 建設業法第8条第1号に該当しないことの客観的な確認を行うため、それらの者が成年被後見人及び被保佐人に該当しない旨の後見等登記事項証明書等を、許可申請に係る法定添付書類に追加する。
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「建設業法第二十七条の二十三第三項の経営事項審査の項目及び基準を定める件」及び「経営規模等評価の申請及び総合評定値の請求の時期及び方法を定めた件」の改正の概要
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■建設業法第二十七条の二十三第三項の経営事項審査の項目及び基準を定める件(案)の概要
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■新たな企業集団評価制度について
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2.以下の条件を満たす企業集団に属する建設業者(連結子会社)については、連結財務諸表により経営状況を評価。
≪企業集団の要件≫ @親会社が会計監査人設置会社であること。 A企業集団に含まれる連結子会社は、 ◇親会社が有価証券報告書提出会社の場合には、実質支配基準 ◇親会社が有価証券報告書提出会社以外の場合には、親会社が議決権の過半数を有し ていること。 B連結子会社である建設業者が次のいずれにも該当するものであること。 ◇連結子会社単独での売上高が企業集団全体の売上高の5%以上を占めていること。 ◇連結子会社単独で審査した場合の経営状況の評点が、企業集団の連結財務諸表を用い て審査した場合の経営状況の評点の三分の二以上であること。
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■経営規模等評価の申請及び総合評定値の請求の時期及び方法を定めた件(案)の概要
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確認書類として以下の書類を追加 ◇税務申告書別表16(1)及び(2)並びに建設業法施行規則別記様式第15号及び16号 ◇有価証券報告書若しくは監査証明書の写し、会計参与報告書の写し又は経理の実務責 任者による経理処理の適正を確認した旨の書類に自ら署名を付した書類 ◇建設業法施行規則別記様式第17号の2
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